ソーシャルチームワーク
チームワークにも距離感が必要
強いチームというとみんなが理想や目標に強く共感して、一致団結し、理想や目標に向かって、自分の役割に対して全力投球している状態をイメージする。そして、価値観が合う人をメンバーにしようとする。
会社も同様で、会社の理念や理想や目標に対して、全員が熱くなり、フルコミットして働いて、成果を出している人が高く評価され、偉くなる感じがする。逆に、その中心から離れれば離れるほど評価が下がり、何となく疎外感を感じる。
一方で、人間関係では、一年に一度、年賀状のやりとりしかしなくて、30年間も付き合いが続く「旧友」もいれば、半年に一度ほど会って飲んで語る「友達」、そして、16年も一緒に暮らす「夫婦」という関係もある。つまり、人はいろいろな「距離感」を保ちながら、様々な人と関わりながら社会生活をしている。
逆にこの「距離感」の保ち方を誤ると、頻繁に会い過ぎて、喧嘩して疎遠になったり、もっと仲良くなれたかもしれないのに、遠慮して距離を保ち過ぎて、微妙な関係が続いたり。
これは、「会社」にも言えるような気がする。サイボウズでも、世界一という理想に強く共感して、それに対して、全力で努力し、協力しあいながら働いていける人を厳選して採用してきたつもりではあるが、全員をそのような見方で評価することは、はっきり言って「無理」だと思うようになった。
これは、決してチームワークをあきらめたわけではなく、多くの人が集まれば集まるほど価値観は多様化するのが当たり前で、それがグローバルに広がろうとすればするほど、多様性を受け入れる方向に進まないといけないという当たり前の結論。
だからと言って、多様性を受け入れて、まとまりのない組織にしようというのではなく、あくまでも「チームワーク」を意識する。チームというのは、同じ理想や目標を実現しようとする複数人が集まった集団であり、チームワークというのは、そのチームの中で役割分担をしていくことで、それが強まれば強まるほうがいいと思い、その理想に向けてやってきた。
でも、それができればいいのかもしれないが、昨今の環境の変化からチームワークの理想も変化するべきなのではないかと思うようになった。
環境の変化というのは、日本でもそうであるが、衣食住を満たすだけであれば、昔に比べてかなり敷居が低くなってきている。なので、生きるために働くのではなく、「楽しく」生きるためにどう働くかという考えにシフトしてきている。
また、少子化という問題も男性が働いて女性が育児をしていれば本当にいいのか?という問題意識を顕在化させるきっかけになっているように思う。なので、ワークライフバランスが重要視されてきた。
そして、IT。インターネットが普及して、実際に対面で会わなくても、情報共有が手軽にできるようになった。飛躍的に。かなりの情報量をお互い交換することができる。簡単にフェイスブックでつながって、現在の状況などを共有することができ、グループウエアやテレビ会議で
遠隔にいても、普通に一緒に仕事ができる。
さらに、グローバル化。日本で創り、日本で売るのではなく、中国で創りアメリカで売る。社員の国籍や働く場所、サービスを創る場所や売る場所までもがグローバル化している、そしてそれが加速している時代になった。
この大きな環境の変化の中で、「会社」「チーム」「チームワーク」はどうなるのか?
これまでのように、同じ理想に対して、同じ場所で、同じ時間に、同じ働き方で、同じ価値観で・・という世界観ではなく、同じ理想に対して、いろんな場所で、いろんな時間に、いろんな働き方で、いろんな人種や文化の人達がいろんな価値観で、チームを形成し、ワークする。
そして、お金だけがつながりではなく、人や、モノや、ノウハウなど、有形無形の資産でつながるチーム。それが「ソーシャルチームワーク」。
これは、一昔前であれば、物理的にも実現がかなり難しかったが、今の、そして、これからのITの技術や環境は、これらを可能にするはず。運用面での問題はいくらでもあるが、ソーシャルチームワークを理想に掲げることは可能な時代になったと言えると思う。
岩井克人氏が書いた「会社はこれからどうなるのか」という本があるが、会社はこれからボーダレスにソーシャルチームワーク化するのではないだろうか。
サイボウズがあり、サイボウズグループ、サイボウズファミリー、サイボウズフレンドなどなど、お金がいる人はお金で、ノウハウがいる人、ブランドを利用したい人、著作物を使いたい人などなど。様々な人が「世界のチームワークをよくする」という理想に共感するチームのメンバーが、様々な距離感でワークする。
そんな「ソーシャルチームワーク」な会社っていいのではないだろうか。そして、そんな理想をイメージして、採用や制度をデザインしていく必要があるのかなと思う。
そんなことを考えていると、めちゃくちゃワクワクしてきた。
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